青森県神社庁
1. 国生(くにう)
kuniumi
 遠い昔、日本の国ができる前のことです。()みわたった高い空の上に、高天原(たかまのはら)という神々(かみがみ)のお住まいになっているところがありました。
 ある時、神々は 下界(げかい)に新しい国を造ることをご相談になられました。そこで伊邪那岐命(いざなぎのみこと)伊邪那美命(いざなみのみこと)二柱(ふたはしら)の神さまに国造りを命じられ、(あめ)沼矛(ぬぼこ)という(ほこ)(さず)けられました。
二柱(ふたはしら)の神さまが、(あめ)浮橋(うきはし)という大きな橋の上に立ち、下界(げかい)の様子を(なが)めてみますと、国はまだ水に浮いた油のように(ただよ)っていました。
 さっそく二柱(ふたはしら)の神さまは、神々より(さず)けられた(ほこ)を海水の中にさし()ろすと、海水を力いっぱい()き回し始めました。
 しばらくして(ほこ)を引き上げてみると、どうでしょう、(ほこ)の先より(したた)り落ちる(しお)が、みるまにも()もり重なって淤能碁呂島(おのころしま)という島ができあがりました。
 そこで二柱(ふたはしら)の神さまはその島に降り立つと、(あめ)御柱(みはしら)という大変大きな柱をたて、柱の回りを伊邪那岐命(いざなぎのみこと)は左から、伊邪那美命(いざなみのみこと)は右から、それぞれ柱を回りあいました。
 そして出会ったところで「ああなんと、りっばな男性だこと」、「ああなんと、美しい女性だろう」と呼び合い、二人で多くの島々を生みました。
 はじめに淡路島(あわじしま)、つぎに四国(しこく)隠岐島(おきのしま)九州(きゅうしゅう)壱岐島(いきのしま)対馬(つしま)佐渡島(さどがしま)をつぎつぎと生み、最後に本州(ほんしゅう)を生みました。
 八つの島が生まれたところから、これらの島々を大八島国(おおやしまのくに)とよぶようになりました。
 これが日本の国土(こくど)のはじまりです。
神名・地名表記の漢字には他の文字があてられる場合もあり、別名を持つ神々も多くいらっしゃいます。
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