青森県神社庁
神葬祭について
神葬祭について
神道(しんとう)式で行われる葬儀を「神葬祭(しんそうさい)」といいます。
神棚
神道(しんとう)霊魂観(れいこんかん)
 私たち日本人は、この身体を親から貰い、霊魂(たましい)氏神様(うじがみさま)からいただいてこの世に生まれてくるという信仰を昔からもっています。肉体には寿命があり、機能を終えた肉体は産土(うぶすな)の土に返ってゆきますが、神様からいただいた霊魂(たましい)は不滅なのです。  
 そこで人が亡くなると、不滅の霊魂(たましい)には、土に返る肉体に代わり、新しく用意した霊璽(れいじ)にお(うつ) り願います。それは生前と変わらぬ父の霊であり、母の霊ですので、ご先祖様として、”いますがごとく”お仕えして、一家の守護神として 祖霊舎(それいしゃ)にお(まつ)りします。
墓標
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 寿命を終えた肉体は、悪臭を放ち腐ります。(けが)れです。そして清まわって土に返ります。
 霊魂(たましい)は、肉体と共にこの世に在った期間、知らずに、或いは知りつつ犯した罪穢(つみけがれ)を肉体を離れて洗い落とし、清まわって、氏神様(うじがみさま)から分けいただいたときの清々(すがすが)しい元の神霊(しんれい)に立ち返ってゆきます。
 この間私たちは、()き人が目に見え、言葉をかわすことのできたこの世から、目に見えぬ幽界(かくりよ)へと世を別つ悲しみに耐え、ひたすらこの霊魂(たましい)祖霊舎(それいしゃ)神鏡(しんきょう)の如く曇りなく清々しく、心静かに鎮まりますようにと祈り、御跡(みあと)(しの)び慕いまつるのです。この期間は昔は一年としました。
 しかし、今日では昔のように直ちに土葬せず、一旦火葬が行われることなどからも、実際にはその期間が短縮されるようになりました。
神葬祭
亡くなった場合の心得
神棚+白紙
  •  まず神棚及び祖霊舎(それいしゃ)にその旨を報告(ほうこく)し、神棚の前面に白紙を貼ります。
  •  人を頼んで、氏神様(うじがみさま)に「帰幽奉告(きゆうほうこく)」(亡くなった旨を奉告する)をお願いし、病気平癒(へいゆ)祈願などした神社があれば、代参を派するか遥拝(ようはい)をして祈願を解きます。
  •  喪主を決定し、葬礼に通じた人を葬儀係にお願いして、喪主及び家族はできるだけ故人のそばに 祗候(しこう)(そば近く仕えること)しながら弔問者の礼を受けるようにします。
  •  火葬前日(殆ど死亡当日)までに、霊璽(れいじ)(仏式における位牌(いはい))を用意して遷霊祭(せんれいさい)(みたま(うつ)し)に支障のないよう注意します。神道(しんとう)霊璽(れいじ)は装飾の多い仏式を避け、白木のものを用います。
  •  死亡届・火葬埋葬の認可手続きをします。
  •  葬儀の日時を神職(しんしょく)に相談し、お願いします。
  •  墓標(ぼひょう)は頭部を角錐(かくすい)にした角柱(最低一面だけでも節のない役物)を用意します。神職(しんしょく)あるいは、しかるべき人に揮毫(きごう)を依頼します。
神葬祭(しんそうさい)の流れ
 亡き人を(おごそ)かに送る葬送の儀礼である神葬祭は、いくつものおまつりが行われます。地域の習慣によって多少異なりますが、ここでは県内のごく一般的な例を示します。
神主の神事
「枕直しの儀」 ・・・
遺体を北枕にし、白布で顔を覆い、枕もとに屏風を立て、守り刀を置きます。
納棺(のうかん) の儀」 ・・・
湯灌(ゆかん)して遺体を清め、白装束を着せて棺に納めます。
遷霊祭(せんれいさい) 」 ・・・
霊璽(れいじ)にみたまを(うつ)すおまつりです。
発柩祭 (はっきゅうさい) 」「火葬祭」
出棺 し火葬に付します。
通夜祭(つやさい) 」 ・・・
夜通し故人を(しの)びます。本来、通夜は故人の(よみがえ)りを祈るものでした。
葬場祭(そうじょうさい) 」 ・・・
最後のお別れをするおまつりです。弔辞、弔電を読み上げ、生前を(しの)びます。
埋葬祭(まいそうさい) 」 ・・・
墓地に向い、遺骨を埋葬 します。
帰家祭(きかさい) 」 ・・・
直ちに家へ帰り、葬儀が滞りなく終了したことを仮霊舎(かりれいしゃ)に奉告します。
 以後10日毎のおまつりをして「50日祭」後に「 忌明祭(きあけさい)」を行って、神棚の前の白紙を取り、新しい霊璽(れいじ)仮霊舎(かりれいしゃ)から祖霊舎(それいしゃ)にお(うつ)しする「合祀祭(ごうしさい)」が行われます。
服忌(ふっき)について
 親族が亡くなった場合、一定期間喪に服します。これを「服忌(ふっき)」といいます。
 「()」とは、死を(いた)む期間で、50日以内とする場合が多いようです。その期間を「忌中(きちゅう)」といいます。忌明け後は、遠慮していた神棚のまつりや神社参拝を再開します。祭礼行事や正月行事も平常通り行ってかまいません。
 「 (ふく)」とは、忌明(きあ)けの後も身を慎み、平常に返ろうとする期間で、「服喪(ふくも)」といいます。「喪中(もちゅう)」はその期間をいい、日数は各自の心情に委ねられます。慎みを表しつつ、普段の生活を送ります。
会葬者の一般的心得
  •  拝礼の作法は仏式と違い玉串(たまぐし)を捧げ拝礼します。二拝(にはい)二拍手一拝(にはくしゅいっぱい)拍手(かしわで)は「しの)」といって故人を(しの)び音を立てずに手を合わせます。
  •  供花について、神道(しんとう)では「真榊(まさかき)」(大きな(さかき)紙垂(しで)を付したもの)または、造花は避け「生花」を奉ります。
  •  神葬祭(しんそうさい)での包みについて、玉串(たまぐし)を捧げて拝礼しますので「玉串料(たまぐしりょう)」あるいは「御霊前」と書きます。
    (はす)の絵のないものを用います。
真榊
玉串料
霊祭(れいさい)一覧
令和6年に執り行うべき霊祭一覧 (地方により数え歳もあります)
霊祭 歿年 歿後
1年祭 令和 5年 満 1年目
3年祭 令和 3年 同 3年目
5年祭 平成31年
令和 元年
同 5年目
10年祭 平成26年 同10年目
20年祭 平成16年 同20年目
30年祭 平成 6年 同30年目
50年祭 昭和49年 同50年目
【付録】令和6年に執り行うべき仏式年回忌一覧
年回忌 歿年 歿後
1周忌 令和 5年 満 1年目
3回忌 令和 4年 同 2年目
7回忌 平成30年 同 6年目
13回忌 平成24年 同12年目
17回忌 平成20年 同16年目
23回忌 平成14年 同22年目
27回忌 平成10年 同26年目
33回忌 平成 4年 同32年目
37回忌 昭和63年 同36年目
50回忌 昭和50年 同49年目
親族(しんぞく関係図(かんけいず)・「忌中」日数表
親族関係図
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